日本のビジョン

鳩山内閣の支持率が41%程度に低下した。
鳩山内閣発足時は、70%あったので、30%の国民が失望したことになる。
鳩山首相は、”金と政治の問題”が主な原因と考えているが、それは違うと思う。
彼とその内閣の実行力と決断力のなさに失望しているのだと思う。
”金と政治”も、普天間も、景気低迷も、財政赤字も、医療・介護も、自民党政権時代からあった問題で、今発生したわけではない。
政権交代したのは、これらの問題の解決が自民党には期待できないので、民主党に委ねたのだ。
しかし、彼らには、何かアイデアがあるのでもなく、広く外部に知恵を求めるでもなく、無為に半年を過ごしただけだ。
鳩山首相は、これからどうしようとするのか。
今、日本にはどのような課題があり、それに対しどんな施策を、いつまでに実行し解決するかビジョンが全くない。

会社の経営であれば、
「経営目的」「経営目標」「経営方針」「経営計画」「実績予測」
の5つのステップでまわしていく。
「経営目的」は、会社の存在の理由である。会社はどのように社会の貢献するかを、”経営理念””社是””社訓”でしめす。
「経営目標」は、目的を達成するための具体的な方向性である。1年2年3年と期間を定めて、目標を定める。
「経営方針」は、目標を達成するための方法を具体的に定めることである。数ある方法からより良い方法をひとつ定める。
「経営計画」は、経営方針の基づいて、実行の手段、手法、手順を5W2Hに従って、細かく定める。
「実行予測」は、計画と現実のギャップを分析をして、ギャップを埋める策を実行することである。
社長は、「経営目的」「経営目標」「経営方針」を決めることが役割だ。幹部と現場は、「経営計画」「実績予測」に責任がある。

鳩山首相の役割は、ここ3年間の内閣の目標と方針を定め内閣と各省庁に指示することである。所轄の大臣と省庁は、計画と実行をしなければならない。

鳩山首相は、22年度予算に、それが反映していると弁明するかも知れないが、この予算には3年後の日本の姿が見えない。だから、国民は不安になるし、不満にあるのだ。
結局、この予算は従来の考えをほとんど世襲しているだけで、そこにお手盛りで、民主党独自のばら撒き施策を乗せただけだ。従って、予算額は肥大してしまった。
この予算を実行すると、もろもろの課題の解決が見えてくるのか?はなはだ疑問である。
また、中身はどうであれ、財政赤字を改善することを目的にした、小泉内閣の予算の立て方のほうが明確でわかり易かった。

結局、素人のお子ちゃま内閣では、何もできない。

鳩山首相にできることは、自分は首相の器でないとこと認め、衆議院を解散し、改めて国民に選択を委ねることだ。
国民は、今度こそ、本当に実行力のある人材を選択すると思う。