高速道路 料金上限の見直し

政府から高速道路料金上限見直しの案が提示された。

普通車2000円上限が適性かどうかは私には判断できないが、何を目指しているのか解らない。
前原国土交通省大臣は、道路、鉄道、航空のわが国の交通網インフラの責任者である。

現時点での交通網インフラの問題点は何なのだろうか?
今後、10年後、20年後の理想とする交通網インフラはどのようになっていればいいのか?
その上で、現状の料金の上限や割引制度をどのように改善していくのか?(一気にか、段階的にか)

戦略的なことが、全く語られないまま、車種や距離による料金上限を制定しようとしても、国民からの理解は得られない。業界の反発も大きいはずだ。

要は、国民に移動手段として、エコカーか、電車か、飛行機か何を選べば良いかを提示していない。
当然、目的や移動距離や人数によって選択は変わるかもしれないが。

もともと、民主党マニフェストは、高速道路無料化と単純明快であったはずだ。
物流コストの削減や、行楽を含めた、人の移動を活性化して、景気回復へのカンフルにするはずだった。

前原大臣は、今回の制度改定案で、国民に将来の交通インフラ戦略の何を提示しているのか?
単なる、業界からの圧力に対する妥協案でしかない。

我々が求めているのは、パフォーマンスの良い交通インフラの構築だ。
そのためには、もっとやるべきことがあると思う。

大都市間の移動なら、鉄道が圧倒的に便利である。ローカル移動手段が地下鉄、バス、都市電車と整備されているからだ。
しかし、地方から地方なら、その鉄道のローカルポイントからの目的地までの移動に不便があるので、鉄道を利用しないで時間を犠牲にして、全て車での移動になる。

車と鉄道、航空との棲み分けと共存を図る施策を是非考えて欲しい。
ばらばらに、高速道路や新幹線の整備や空港の配置を進めても意味がない。
これから益々進む高齢化社会での、世界一快適な交通網を是非考えて欲しい。
そのの戦略の中での、高速料金体系を再構築して欲しい。