失敗学

東大名誉教授の畑村洋太郎氏が、福島第一原発事故の原因を究明する”事故調査・検証委員会”の委員長に就任した。

畑村氏は、2000年に”失敗学のすすめ”を出版し、成功からは何も学べない、失敗から創造が生まれる”失敗学”を提唱し、ブームを起こした。私もこの著書を読んで感銘をした記憶がある。

残念ながら、その後の自分の生活に生かすことはなかった。
なぜか? 失敗という言葉自体が、日本人にとっては重い言葉である。失敗することは今までのすべてを否定することになり、”失敗”は”責任をとる”と同意語だからである。だから、組織も個人も失敗だったことを認めない。認めないから、不都合な情報は隠す。言い訳をする。
私の失敗でしたと自分で認め、他人に報告するのはかなり勇気がいる。失敗を認めないから、原因追及を徹底的にしない。原因を自分ではコントロールできない外的要因に求める。
これでは、いつまでたっても、私の失敗は続くことになる。

”想定外の地震津波”が原因としてしまっては、また同じかそれ以上の失敗が繰り返されることは間違いないです。”想定外の地震津波”は言い訳です。
畑村氏が、”失敗学”理論で福島原発の本当の原因究明をされることを期待します。