出口のない迷路

福島原発の事故事故対応は遅々と進まない。
そんな中で、海江田経産相大臣は、玄海原発は絶対安全だ、国が保証すると言っていたが、菅総理の発案か、より安全を担保するために全国の原発のストレステストを実施と言い出した。
ストレステストは、コンピュータによるシミュレーションである。ある想定される条件下で、耐えうるか問題がないかをバーチャルに検証するやり方である。この条件は誰が決めるのだろうか?原子力安全委員会や御用学者が決めたのなら意味もないが、誰が決めたのであっても、ここまでは安全、保証できることは限界の検証できても、絶対安全にはならない。想定外のことは必ず起こる。
ストレステストの結果が安全だと結論が出てもだれも信用しないだろう。

いま最大の解決すべき課題は、もし福島原発と同じ事故が起こったときに、どのように放射能被害に拡散を防ぎ、放射能除去するかである。
しかし、福島原発の状況をみると、原発の停止だけで四苦八苦である。放射能の汚染は放置され、除去なんか先の先である。

ひまわりや菜の花を植えると、土壌が改善されるとの情報もあるが、ひまわりや菜の花自身に放射能物質が吸収されるだけなので、この汚染された植物の処分が問題になるらしい。

もともと、安全に運転していても使用済み核燃料の処分は解決していなかった。プルサーマルにしたところで2サイクル位再利用が可能なだけで、廃棄の問題を少し先送りにするだけだ。
高速増殖炉ができれば、サイクルをもっと伸ばせるらしいがこの仕組みいつ実用化されるか見通しはない。老朽化した原子炉の廃炉処分方法も確立していない。福島原発も止めるに止められず40年も延命してしまった。

これは、出口ない迷路である。
使用済み燃料や汚染された物質の処分方法や、放射能除去の方法といった出口を作らない限り、迷路から抜けだせる絶対安全はないのである。

原発の安全を保証するだけではなく、最悪の状態での対応方法が担保されない限り、原発の再稼働はありえないだろう。